日経から訴えられる⑥ | 足尾鉱毒事件自由討論会

日経から訴えられる⑥

第1審が終わって、敗訴した日経が控訴した第2審中のことですが、草思社からの依頼で、月刊雑誌の『草思』8月号に、この裁判のことのあれこれを書かせていただきました。
すると、草思社の編集部に宛てて、私に渡してほしいという1通の手紙が届きましたが、それは、日経新聞改革委員会からのもので、次のように書いてありました。


「私たちは、鶴田卓彦に私物化された日本経済新聞の、腐敗しきった体質を正すため、この委員会を組織した記者の有志です。8月号に載った砂川氏の寄稿を読み、自らの勤務する新聞社の横暴な提訴の事実を知り、愕然といたしました。砂川氏にお詫びするとともに、私たちの改革へむけた行動に理解をいただければと思い、筆を執りました。」
「本来、訴訟を取り下げさせるように、法務室に働きかけるのが筋ですが、改革はまだ道半ばで、現時点においては、そうした行動を取ることができません。お詫びします。その代わりといっては何ですが、砂川氏と晶文社が訴訟を戦うのに役立つ情報を提供したいと思います」 


「今、鶴田卓彦に絡んだ、数々の疑惑が浮上しています。最大の案件が100%の日経の子会社、TCW社の融資手形乱発事件で、もう一つが彼の愛人問題です。法務室は2つの問題で隠ぺい工作に躍起です。」


それから5ヵ月後の平成15年1月、鶴田社長は取締役会で辞任を求められました。その提案は否決され、その後会長を務めたものの、2ヶ月でこの役も降りざるを得なくなったということです。
鶴田社長の辞任にいたる経過については、大塚将司著の『日経新聞の黒い霧 』(講談社)に詳しくリポートされています。