足尾楽迎員のこと | 足尾鉱毒事件自由討論会

足尾楽迎員のこと

「足尾歴史館」の話を続けます。
住民グループの「足尾楽迎員協会」は、江戸時代以降銅山とともに歩んできたこの町のことをもっと知りたいと、平成13年から月一回の学習活動をしてきました。
そして、その歴史や、今も残る産業遺産を多くの人に伝えたいという気持ちから、ガイドブックを作ったりしていました。その過程で、どうしても住民自らの手で「場を提供する施設」を持とうと考え、町立の旧スケート場を借用して、今回「足尾歴史館」を開設したのです。
私の『直訴は必要だったか―足尾鉱毒事件の真実』は、開設の半年前に発刊されたので、楽迎員協会の皆さんにとってはピッタリのタイミングでした。この本の読後感を、会長の長井一雄さんは手紙でこう書いてきました。

「歴史がひっくり返る。正しく今回の本は私達が始めようとしている根源になることで、とてもドラマを感じます。しかし実に残念ながら足尾の住民たちの多くが足尾を語れない、自信をもって誇りを持って語れないのが事実です。」
「そんなときの本ですから、勇気を持って堂々と知らしめてゆく絶好のチャンスになりますし、事あるごとに説明ができるバイブルのような気持ちでいっぱいです。私は砂川さんの勇気に感服し、エネルギーを与えていただきました。」