あっこちゃんからの手紙 | 足尾鉱毒事件自由討論会

あっこちゃんからの手紙

「足尾歴史館」に関する話のつづきです。ここを運営する市民グループの一人である主婦、自称「あっこちゃん」からも、私に宛てて手紙が来ました。
前回に続き、これもまたその一部を紹介します。


足尾のガイドをするにあたり、こんなことを言われました。
「足尾に対して何を語ろうと、公害を出したには違いないんだから」と。
付け加えて、水俣病のチッソとかと、同じ扱いの言われ方をされました。しかし、公害防止工事に関しても、誠意が違います。
もう一つは、世界遺産の話が出ていることを言ったとき、「これ以上また恥の上塗りをするのか」という返事が返ってきました。
しかし、私は両方とも反論することができませんでした。せいぜい心の中で違うと。本当に情けないと思いました。だれにとっても難しいのです。みんな知らないのです。何が真実か。
だからこの本を読んでほしいと思います。
みんながえらいと思っている人を、批判するなど、書かずに知らんふりをします。この方がいい人でいられるし、楽なのです。
みんな一言で知っているようなふりをします。一方が毒を流した悪い奴、一方は弱い農民を救った偉い人。
そして田中正造はお国自慢になるのです。それがくつがえったら大変なことになるのです。
今、私は足尾を誇りに思っています。そしてこの本が出たことで、もっと心強く思っています。


5月11日付の「あっこちゃん」からのハガキによれば、足尾歴史館の入場者は1000人を越えたということです。